イベント報告:種のお話し会&森の扉のアグリツーリズム説明会
『種を正するものは世界を正す!』
3月3日(日)宇都宮市ララカフェにて、
『種を正するものは世界を正す!』
安田節子氏×上野長一氏講演(種のお話し会)&森の扉のアグリツーリズム説明会を開催させて頂きました。
今回は、告知期間が短かったにもかかわらず、50名を超える参加者にご来場頂きました。
種の現状を初めて聞く方、種を繫ぐ農家さんや友人達、オーガニック給食に取り組む方々など、県内だけではなく、東京都や神奈川県など関東各地からもご参加頂き、参加者の皆様と「種」を囲む様々な情報や課題を共有出来る、とても有意義な時間となりました。
「種の現状を知る」安田節子氏講演
安田節子氏からは、日本の食の現状や遺伝子組み換えやゲノム編集、種子法や種苗法などの種に対する深刻な現状を伺いました。
国家安全保障の要(かなめ)の食料自給は独立国家の最低条件であり、今後は地産地消の食料自給圏を作り上げること。小さな自給圏が全国にできれば、日本は自給国家になるとの解決策に大いに共感し、改めて自産自消の重要性を再確認しました。
「生産者の現場から」上野長一氏講演
「いろいろ米」で有名な上野長一氏からは、何故600種類のお米を栽培することになったのか?その経緯や、種を繫ぐことの喜びや楽しさなどをお伝え頂きました。
現在は各方面から引っ張りだこの長一さん、様々な苦難や困難を乗り越え、周囲に対する感謝の心、農自体を楽しむ心を持つ姿勢が、周囲の人々を惹きつけているのだと思います。
「農業のないところに未来はない。百姓の先に百笑あり!」との言葉は名言だと思います!
「実来のたねまき」アグリツーリズム説明会 ナチュラルフード森の扉代表 野原典彦
森の扉からは、今までの活動報告と、今後のアグリツーリズムの説明、皆様への取り組み提案などをさせて頂きました。
森の扉が取り組んでいるシェアする農業や里山体験などに加え、種採り農家や団体への援農、農業体験など含めたアグリツーリズムなどを、参加者が都合の良い時に参加出来るサブスク(月謝)制度としてパッケージ化し、2024年度より、森の扉自体を商品化する予定です。
そして、県内各地の農家さんと連携しながら、個人をはじめ、法人や団体向けにも休耕地、耕作放棄地を解放、種を繫ぎながら週末農業、日本型ダーチャプロジェクトの流れを構築するとともに、その生産物を購入させて頂き、各地域への学校給食への流れを作れて行けたらと考えています。
今回ご参加頂いた、先日立ち上がったばかりの「宮っ子給食を考える会」へも後方支援が出来たらと思います。
新年度より本格的に稼働していきますので、このホームページや森の扉のSNSなどで随時お知らせさせて頂きます。
宮っ子給食を考える会のSNSはこちら
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大河の流れも1滴の雫から。
農家でも専門家でもない自分ですが、一粒の種をまくことで世界が変わることを肌身で感じてきた1人です。
今回の「種」のスペシャリストのお二人のお話し、種に対するハードな部分とソフトな部分をうまく融合させて、今まで取り組んで来た「種を守る」活動から「種を楽しむ」活動へと意識をシフトチェンジし、これからも「作ること」「食べること」「伝えること」を楽しみながら森の扉のアグリツーリズムに磨きをかけて行きたいと思います。
今回のイベントに快くご協力頂いた安田節子氏と上野長一氏、そして各地からご参加頂いた皆様、この度は貴重な機会を頂きありがとうございました。これからも皆様と一緒に実来の種まきに取り組んで行けたら嬉しいです。
最後になりますが、いつも陰ながら生産者を応援して下さるお二方。
上野長一さんの「いろいろ米」や森の扉のフルーツなどを使用したパンの販売で会場を盛り上げてくれた「和麦工房ぽーの」和田ご一家。
神奈川から会場サポートに駆け付けてくれた森の扉のHP管理をして頂いているWebクリエイター兼ライター、Green Rhythm(グリーン・リズム)のコジママイさんにも心より感謝申し上げます。
登壇者プロフィール
フィールドは違えど、「種」の第一人者であるお二人の益々のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
安田節子氏
- 食政策センター・ビジョン21代表
- 日本の種子を守る会副会長
- 日本有機農業研究会理事
- アクトビヨンドトラスト理事
- デトックスプロジェクトジャパン共同代表
1990年~2000年 日本消費者連盟で、反原発運動、食の安全と食糧農業問題を担当
1996年~2000年 市民団体「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」事務局長、表示や規制を求める全国運動を展開
2000年11月 「食政策センター・ビジョン21」設立、情報誌『いのちの講座』を発行中
2009年~2013年 埼玉大学非常勤講師
著書
『私たちは何を食べているのか まともな食べ物がちゃんと手に入らない日本』(三和書籍)
『食卓の危機 遺伝子組み換え食品と農薬汚染』(三和書籍)
『食べものが劣化する日本』(食べもの通信社)
『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』(平凡社新書)
『食べてはいけない遺伝子組み換え食品』(徳間書店)
『遺伝子組み換え食品Q&A』(岩波ブックレット) 他
上野長一氏
30年近く前から無農薬栽培を開始し、今では自然栽培(農薬も肥料も使わない農業)に取り組む稲作農家。
600種類以上のお米を繫いで、そのうち約50~60種類ほどを混ぜて「いろいろ米」として提供している。
小麦とライ麦の栽培も手掛けており、渋谷区や上田市のルヴァンをはじめ、日本各地のパン屋、お菓子屋に愛用されている。
令和2年11月「第44回山崎記念農業賞」、ドキュメンタリー映画「百姓の百の声」のモデル農家の一人。